業種 製造業
お困りの問題 その他企業間(取適法)
相談内容
相談者である委託事業者(親事業者)と中小受託事業者(下請事業者)との間の取引について、互いに債権債務がある。
従来、月末締め翌月末支払で電子記録債権で支払い、相殺後の残額を現金で振り込んできたが、改正下請法の施行後も従来どおり変更なしでよいでしょうか。それとも「相殺なし」で債権債務を個別扱いとしなければならないのでしょうか?
弁護士の助言・対応
【回答】従来どおり、相殺後の差し引き分について、取引先に対し現金で振込んでもらうことで問題ありません。ただし、貴社が取引先に対して有する債権が、製造委託した商品の製造に必要な原材料等を有償で支給した(自己から購入させた)代金支払に係る債権の場合、相殺の時期を下請代金の支払期日にしていただく必要があります。
【理由】取適法上、相殺を直接的に禁止している規定はございません。もっとも、取適法上、委託事業者が、中小受託事業者に対し、委託事業者への給付のために有償で支給した原材料等(有償支給原材料等)の対価を早期決済することは禁止されています(取適法5条2項1号)。もし貴社が取引先に対して有する債権が、製造委託した商品の製造に必要な原材料等を有償で支給した(自己から購入させた)代金支払に係る債権の場合、有償支給原材料等の代金支払期日が下請代金の支払期日よりも早いにもかかわらず相殺を行うことは、取適法5条2項1号に抵触する可能性があります。従いまして、そのような場合は相殺の時期を下請代金の支払期日にしていただく必要があることにご注意ください。
また、実務上のトラブルを防ぐために、基本契約書に相殺条項を設け、毎月相殺明細書を交換して双方で確認する等の体制を整えられるとよいでしょう。
2026/01/21